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Dr.R 紹介
高い医療技術と獣医療に対する真摯な取り組みを行ない、飼い主さんへの配慮や気配り(飼い主さんと上手なコミュニケーションがとれる)、豊富なネットワークや謙虚さなどが、おもな判断基準として挙げられる優秀な獣医さんとしてご紹介されております。
常に飼い主さんの立場に立った、信頼のおける診療姿勢を重視した獣医師。
また、動物医療に関する各種講演の講師としても幅広くご活躍です。

=口にしてはいけない食べ物=

 朝晩の冷え込みが秋を感じさせる今日この頃、皆さんお変わりなくお過ごしでしょうか。

 さて今回は犬でよく遭遇する中毒についてお話致します。皆さんは犬や猫が口にしてはいけない食べ物はご存知でしょうか?

ネギ類やチョコレートなどは有名ですね。ネギ類を食べるとネギに含まれているアリルプロピルディスルファイドという物質が血液成分の赤血球(酸素を運ぶ細胞)を破壊して急性の貧血や血尿を引き起こします。中毒を引き起こす摂取量には個体差がありますが、一般的には体重 1kg あたり 20 g以上の量を食べた場合にはその危険が生じます。中には、玉ねぎなどを煮込んだ煮汁を飲んだだけで中毒を起こす犬もいますので注意が必要です。玉ねぎをたべてしまった後、突然ぐったりして赤ワイン色のおしっこをする場合にはこの中毒の恐れがあります。

チョコレート中毒はチョコレートに含まれるテオブロミンという物質が原因です。摂食後、神経発作様症状(落ち着きがなくなる・ふらつく等)や嘔吐・下痢などの消化器症状を呈します。テオブロミンはチョコレート以外にココアやお茶などにも含まれていますので注意が必要です。体重 1kg あたり 100mg 以上の量を摂取した場合に症状が発現するといわれており、この3倍以上の量を摂取した場合には死に至る場合もあります。

 次に散歩中に罹る可能性がある中毒についてお話します。その代表は除草剤と殺鼠剤による中毒です。除草剤による中毒はその薬液を散布された草を舐めたり、摂食したりすることで起こります。摂取した薬剤の種類と摂取量により症状は様々ですが、激しい下痢(血便)と嘔吐・流涎・痙攣発作・意識喪失・昏睡死などが主症状です。殺鼠剤中毒はワルファリンを含んだ団子やこの薬で死亡した鼠を摂食・摂取することにより起こります。この中毒の特徴は血が止まりにくくなるということです。血尿や血便・歯茎からの出血や鼻出血などを主症状とします。これ以外にはナメクジや団子虫の駆除剤による中毒もあります。この薬剤にはメタルアルデヒドという成分が含まれており、この薬剤を散布された草を舐めたり摂食することで起こります。摂取後、激しい嘔吐と流涎・痙攣発作などの症状を呈し、重症例では呼吸不全により死に至る場合もあります。

 上記に代表的な中毒の種類と症状を簡単にお話しましたが、最近これら以外の中毒を診断する機会が増えてきているように感じます。室内飼いの犬で多く認められるものですが、飼い主やそのご家族が常時服用されている心臓薬(血圧の薬)や睡眠導入剤などを誤って食べてしまうという事故です。人の服用量は犬にとっては過剰のことが多いため、薬による作用が強く出ます。例えば血圧降下剤を大量に摂取すると極度の低血圧状態を引き起こしショック状態となって死に至る場合もありますし、睡眠薬や睡眠導入薬の場合には虚脱や昏睡状態となり、同じく死に至ったり、重度の副作用が残ったりする場合もあるのです。

 犬の中毒は私たちの身近に有るさまざまなもので起こることが多いので、これらの管理に十分注意を払う必要があります。中毒を起こしたら、その原因となっていると考えられる食べ物や薬剤・摂取量・摂取した時間などを獣医師に確実に伝えて下さい。無理やり吐かせたり、吸収をおくらせる目的で牛乳を飲ませたりする行為はかえって中毒症状を悪化させる場合があるため注意が必要です。

2008.10.01

 
 

Dr.R 連載コラム
「動物に関する健康・環境・社会・幸せを考える」

犬猫に関する事柄を動物医療最先端の専門家として、テーマ別にコラムを執筆して下さいます。コラムを通じ飼主さんにより高い知識をもって犬猫たちと接して頂きたいと願っております。

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