「パピートレーニング(コマンド)」
今回は「おすわり」や「まて」などのコマンドについてお話しましょう。 昔から犬に教えることで一般的なのが「おすわり」や「お手」などです。また「ちょうだいちょうだい」するのを「ちんちん」と言ったりしますが、家庭で一緒に暮らすのに最低限教えたいことといえば何でしょう?
私は「 sit (座れ)」「 stay (待て)」「 come (来い)」は確実に教えたいと思います。この他に「 down (伏せ)」「 look (見て)」「 off (放せ)」も教えられたら良いでしょう。
「お手」や「ちんちん」は芸のひとつです。それよりも先に教えたい大切なことはたくさんあります。
まずコマンドを教えるにあたって重要なことは、家庭の中で使う単語を統一すること。短く分かり易いものが良いです。また、ワンちゃんの名前と似ている単語は避けましょう。
日本語では「おすわり」や「座れ」など同じ意味でも様々な言い回しがあります。この点英語だと「 sit 」のみで、しかも短く言い易い。昨今、英語でのコマンドが薦められている理由です。
また、手での合図も付けると分かり易いです。少し離れていて犬が聞き取りにくくても手の合図だけで座ったり伏せたりできるのです。コマンドを言いながら同時に手の合図もつけて教えるのが良いでしょう。例えば「 sit 」ならば人差し指を立てたり、「 down 」ならば手のひらを下に向けて降ろしたりします。
教え方のポイントとしては遊びながらゲーム感覚で教えると犬は喜んで覚えます。大好きな飼い主さんに褒められることも嬉しいでしょうし、飼い主さんが喜んでいるのも嬉しいのです。もちろんおやつを与えながら教えるのも良いでしょう。褒められる喜びを覚えた子は吸収が早いです。まず、犬に伝わり易いようにハイテンションで褒めながら、自分自身が楽しむことから始めましょう。
「 sit 」と「 down 」はいきなり両方を教えるよりは、「 sit 」をある程度覚えてから次に「 down 」を加えながら教えるのが良いのではないかと思います。欲張って次々と新しいことを教えても、子犬が理解しきれずに混乱してしまうことがあります。
また、ゴハンの時には必ずアイコンタクトをします。目が合ったらゴハンがもらえる。これを繰り返しながら「 look 」などの単語をつけていると、将来この単語だけで目を合わせるようになります。そしてコマンドがなくても、普段の生活で何かとよく人の目を見る子になります。これはとても大切なことです。
「 sit 」や「 down 」ができるようになったら次に「 stay 」を教えましょう。最初は 5 秒でもいいです。「 sit 」で座らせて「 stay 」と言い、 10 秒でも我慢が出来たら褒めてあげましょう。そして少しずつその間隔を長くしていきます。
「 come 」は意外と難しいものです。犬は遊んでほしい時は呼ばれれば喜んで走ってきますが、自分でもっと魅力的なものを見つけて楽しんでいる時には、呼ばれても聞こえないふりをします。しかし「 come 」で呼ばれたら何をしていても来なければいけないのです。最も無視をされやすいこのコマンドは無視をされないように教えるのがポイントです。つまり、子犬の時に必ずこのコマンドで自分のところへ呼び寄せること。逆に言えば、来ない時にはコマンドは使わないことです。「今は絶対来る!」という確信が持てる時があると思います。それはご褒美を持っている時でもオモチャを持っている時でも、もちろんゴハンの時でもいいです。必ず来る!という時には「 come 」を使います。そしてすごく褒めるのです。来たら必ず良いことがあるというふうに。また、ロングリードを使って「 come 」と言って引き寄せ、ご褒美を与えるのも良いでしょう。とにかく無視をされないように教えることが大切です。
また、叱る時にこのコマンドを使う人がいますが、これは絶対にダメです。まだこのコマンドを完璧にマスターしていない状況で使うのは「 come 」で来るようになるはずがありません。
ちなみに我が家の長女は「 come 」が本当にできない子犬でした。ですから特にこのコマンドではハイテンションで褒めていました。そして「 come 」が完璧にできるようになってからは、叱っている時に「 come 」で近くに来させるようにしました。恐る恐る近くに近づいて来たら、アイコンタクトをして話しかけ、頭をなでて許してあげていたのです。そうすることで彼女の中では「叱られている時に come で行くと、お叱りが終了する」と解釈したわけです。確かに私も恐る恐る来たら謝っているということで許していたのですが、そのうちに真剣に叱っていても「 come 」と言うとシッポを振って来るようになったので、怒られてるの分かってるのかなぁ?と思い、最近ではあまり叱っている時に「 come 」を使わなくなりましたが・・・笑。「 come 」に対してはとても従順にはなりました。
また、特にこういう、人にさわられたり抱っこされたりするのが好きではない子は、呼ばれて近くまでは来るのですが1mほど離れた所で止まる子が多いです。これは人間の手が届く範囲、つまり捕まらない距離を知っているのです。知らず知らずのうちに、手(腕)を延ばして子犬を捕まえたりしていませんか? 遊ぶ時は自分が手を延ばさずにさわれるところまで子犬が来てから遊ぶようにしましょう。膝の上、足元、足の間など、極近くまで来たらかまってあげる、逆にここまで来ないと遊んでもらえないのです。そうすることで子犬に間合いを覚えさせないようにするのです。
「 off 」に関しては前のコラムで書きました。テーブルや人に飛びつく時にもこのコマンドで良いと思います。もちろん、食べ物やオモチャをくわえている時に放すのにも使います。これはとても役立つコマンドです。ぜひ教えてみましょう。
以上が、最低限覚えさせたいことです。しつこいようですが、もう一度言います。
自分が楽しみながら教える。そうすることで子犬も喜んで覚えます。褒められていることが理解できるように、分かり易く、つまりハイテンションで少し高い声で褒めることが重要です。これを「しつけ」と思うのではなく「ゲーム兼コミュニケーション」として遊べる人の方が上手に教えることができるでしょう。
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2008.3.10 |